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『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』

代表のひでさん(小林秀行)です。

「婚活・人生に役立つ本」シリーズ2冊目にご紹介するのは『7つの習慣』です。

婚活と直接関係ないように思われるかもしれませんが、「結婚は人生そのものである」と考えると、これ以上相応しい本はないと考えています。結婚したい方に1冊だけ薦めるとしたら、それはこの本です。

婚活をうまく進めるためのヒントも満載です。これから婚活を始める方、婚活でお悩み中の方はぜひご覧ください。

目次

1. 『7つの習慣』との出会い

ずいぶん前になりますが、2006年頃、私はイギリスで働いていました。モバイル・サービス系のベンチャー企業で欧州統括拠点の副社長を務めていたのですが、仕事上の人間関係の問題で悩まされていました。

私だけではなかったのですが東京本社に苦手な人がいて、その人の言動で苦労させられることが多かったのです。

そういうとき、当時の私は文句、悪口の言い放題で、それが悪いこととも思っていませんでした。でも、いくらその人の悪口を言ったところで状況は何も変わりません。むしろ、状況は悪くなるばかりで、精神的に辛い日々を送っていました。

そうした中、2006年末に2007年の手帳を探し始めました。毎年手帳を使っているのですが、そのときは少し違う手帳を使ってみたいと思い、いろいろ見ていたのです。あるとき、たまたま一番下の妹(妹は3人います)と話していて、妹が「7つの習慣手帳」(フランクリン・プランナー)を使っていることを知りました。

当時から「7つの習慣」のことは知っていましたが、なんとなく宗教っぽく自己啓発系の胡散臭そうな印象があり、積極的に見てみようという気にはなれずにいました。ところが、妹が使っていると言うので、ちょっと見てみようという気になったのです。

まずは手帳を購入してみたのですが、せっかく手帳を買うのだから、本もちゃんと読んでみようと思い、それでようやく読むことになりました。

『7つの習慣』を読み始めてすぐに引き込まれ、「今までの自分は何だったんだろう」と思うぐらい考えさせられることになりました。自分には見えていない、見てなかったものがそこにはありました。

多くの気づきと学びがありましたが、その中でも当時の私にとって特に響いたものを3点ご紹介します。

2. 第1の習慣

(1) パラダイムとパラダイムシフト

そもそもの大前提として、人は物事を「客観的な事実」として見ているわけではなく、自分の見たいように「主観的な事実」として見ているということがあります。

「誰しも、自分は物事をあるがままに、客観的に見ていると思いがちである。だが実際はそうではない。私たちは、世界をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままの世界を見ているのであり、自分自身が条件づけされた状態で世界を見ているのである。(中略)相手と意見が合わないと、相手のほうが間違っていると瞬間的に思う。」

人それぞれ違うメガネをかけていて、そのメガネを通して世界を見ており、どんなメガネをかけているかが問題ということです。つまり「物の見方こそが問題」なのです。

「要するに、何を見るかというよりも、どのようなレンズを通して見ているかが問題であり、そのレンズこそが一人ひとりの世界観をつくっているのである。」

こうした「ものの見方」のことを本書では「パラダイム」と呼んでいます。パラダイムについて、本書では以下のように説明されています。

「平たく言えば物事の『見方』であり、物事をどう認識し、理解し、解釈しているかである。」

「パラダイムとは、何らかの現実を表す理論、説明、あるいはモデルのことである。」

本書では、このパラダイムのずれによる事例として戦艦の艦長の例が出てくるのですが、私のお気に入りはフランクリン・プランナー(7つの習慣手帳)に出てくるスーパーの店員と店長の逸話です。ここでは、どちらもネタバレは控えますが、別の言い方をすると「自分の常識は他人の非常識」ということです。

そして、このパラダイムの違いに気づいたとき、「パラダイムシフト」が起きます。それまでの「ものの見方」ががらっと変わり、まったく違う世界が見えてくるのです。

7つの習慣を学ぶ前に重要なのは、まずは自分の「パラダイム」を理解し、この「パラダイムシフト」の方法を知ることです。

大事なのは、自分が見ているのは「主観的事実」であり、相手が見ているのも「主観的事実」である、つまり、それぞれ違う「パラダイム」を持っているということを理解し、常に相手にはどう見えているか、相手の立場で考える習慣を身につけることです。

これは、相手が自分にしてほしいことを察知する能力とも似ていますが、相手に好かれたいがために相手の好みどおりになろうとするということとはまた違う話です。まずは、パラダイムの違いに気づくことが出発点となります。

(2) インサイド・アウト/私的成功から公的成功へ

「インサイド・アウト」とは、まずは自分の内面を整えてからでないと、他者や社会との関わりはうまくいかないという考え方です。

まずは「私的成功」があり、その上で「公的成功」があるということです。

「インサイド・アウトとは、一言で言えば、自分自身の内面から始めると言う意味である。内面の最も奥深くにあるパラダイム、人格、動機を見つめることから始めるのである。 インサイド・アウトのアプローチでは、たとえばあなたが幸福な結婚生活を望むなら、まずはあなた自身が、ポジティブなエネルギーを生み出し、ネガティブなエネルギーを消し去るパートナーになる。」

「インサイド・アウトのアプローチでは、公的成功を果たすためには、まず自分自身を制する私的成功を果たさなくてはならない。自分との約束を果たすことができて初めて、他者との約束を守ることができる。人格より個性を優先させるのは無駄なことだ。自分自身を高めずに他者との関係が良くなるわけがない。」

インサイド・アウトの逆は「アウトサイド・イン」ですが、アウトサイド・インだとどういう考え方になるでしょうか。自分の内面は置いておき、他者や社会次第の考え方となります。他者や社会が良ければ自分は幸せになるし、他者や社会が悪ければ自分は不幸になるという考え方です。

「アウトサイド・インのパラダイムに従った人は、おしなべて幸福とは言い難い結果となっている。被害者意識に凝り固まり、思うようにいかないわが身の状況を他の人や環境のせいにする。夫婦ならば、お互いに相手だけが変わることを望み、相手の「罪」をあげつらい、相手の態度を改めさせようとする。」

別の言い方をすると、インサイド・アウトは自責思考、アウトサイド・インは他責思考とも言えます。ちなみに本書では自責思考、他責思考という表現は出てこなかったと思うので、私なりの解釈です。

インサイド・アウトによる私的成功から公的成功への過程で「成長の連続体」という考え方があり、依存から自立へ、そして相互依存へと成長していきます。私はこの考え方に感銘を受けた記憶があります。

他責思考であるうちは他者に依存した人間ですが、自責思考になると自立した人間となります。でも、自立では不十分で、さらなる高みとして相互依存という自立しつつお互いに依存する、頼りあえる関係があるということです。

「そうか公的成功を得るためには、まずは自立し、そして相互依存できる状態にならないといけないのか。まずは自分だ、自分を見つめ直そう。」そう思いました。

(3) 第1の習慣 主体的である

第1の習慣の話の前に、そもそも「習慣」とは何でしょうか。本書では以下のように定義されています。

「本書では、知識、スキル、意欲の三つが交わる部分を習慣と定義したい。まず知識は、何をするのか、なぜそれをするのかと言う問いに答える理論的なパラダイムである。スキルはどうやってするのかを示し、意欲は動機であり、それをしたいという気持ちを示す。人生において効果的な習慣を身につけるには、これら三つ全てが必要である。」

「習慣」とは「知識、スキル、意欲の3つが交わる部分」であり、そう考えると自分の意志で変えることができるということです。

本書では、以下のような記述もあります。

「幸福とは、最終的に欲しい結果を手に入れるために、今すぐ欲しい結果を犠牲にすることによって得る果実に他ならない。」

つまり、真の幸福を得るためには、目先の快楽的欲求は犠牲にしないといけないことがあるということです。「日々楽しければそれでいい」という刹那的な生き方に魅力を感じる部分もありますが、「幸せとは何か」について考えさせられます。

① 刺激と反応

何事も何らかの「刺激」があり、そして自分の「反応」があります。例えば、交際中の人の発言、LINEのメッセージが「刺激」であり、それに対してどう思うか、どう行動するかという自分の「反応」があります。

そして、その刺激と反応の間には無限の選択肢があり、そこには「選択の自由」があります。それだからこそ、どの選択肢を選ぶかはその人の人格そのものとも言えます。

「刺激と反応の間には選択の自由がある、という原則である。選択の自由の中にこそ、人間だけが授かり、人間を人間たらしめる四つの能力(自覚・想像・良心・意志)がある。」

刺激と反応の間でどういう反応をするかを考えたときに「主体的」「反応的」かで大きく二つに分かれます。

主体的であるということは、自発的に行動するということに加えて、自分の人生に責任を持つということを意味します。

「主体性とは、自発的に率先して行動することだけを意味するのではない。人間として、自分の人生の責任を引き受けることも意味する。私たちの行動は、周りの状況ではなく、自分自身の決定と選択の結果である。」

一方で、反応的であるということはどういうことでしょうか。主体的の逆を考えれば良いですが、何事も受け身であり、周りの人やものに左右されるということです。例えば、交際中の人や配偶者が、明るい人であれば楽しく過ごせるけれども、皮肉屋だったり気分屋だったりすると、それにものすごく影響され、それに対する不平不満や悪口を言うばかりで自分では何も変えようとしないということです。刺激と反応の間に他に選択肢はないと考えてしまうのです。

「反応的な人は、周りの物理的な環境に影響を受ける。天気が良ければ、気分も良くなる。ところが天気が悪いと気持ちが塞ぎ、行動も鈍くなる。主体的(proactive)な人は自分の中に自分の天気を持っている。雨が降ろうが陽が照ろうが関係ない。自分の価値観に基づいて行動している。」

「反応的な人の言葉は、決定論のパラダイムから生まれる。彼らの言葉の裏にあるのは、責任の転嫁である。自分には責任がない、自分の反応を選ぶことはできないと言っているのである。」

心理学に「自己成就的予言」(Self-fulfilling prophecy:本書では「自己達成予言」と訳されています)という考え方があります。一言で言うと「そう思って行動するとそうなる」ということなのですが、主体的であっても反応的であってもそれは当てはまり、反応的な言動をしているとそれが強化されてしまいます。

「反応的な言葉の厄介なところは、それが自己達成予言になってしまうことだ。」

本書では夫婦の悩みや相談も多数出てくるのですが、主体的な人と反応的な人の「愛」の考え方の違いについても説明されています。主体的な人にとって、愛は動詞であり愛するという意志なので、自分次第で変わります。反応的な人にとって、愛は感情なので、そのときの一時的な感情がなくなればそこで終わりになります。

「反応的な人は、愛を感情としかとらえない。彼らは感情に流されるからだ。」

「主体的な人にとって、愛は動詞である。愛は具体的な行動である。犠牲を払うことである。母親が新しい命をこの世に送り出すのと同じように、自分自身を捧げることである。(中略)愛とは、愛するという行為によって実現される価値である。主体的な人は、気分を価値観に従わせる。愛、その気持ちは取り戻せるのである。」

② 関心の輪/影響の輪

当時、この考え方には本当になるほどと思い、ずいぶんと助けられました。

誰しも人は自分が興味、関心があるものがあり、その範囲を「関心の輪」と呼びます。しかし、「関心の輪」には自分ではどうしようもないものもたくさん含まれています。極端な話、天気がいい例ですが、人間関係でも当てはまることは多々あります。

そこで「自分でコントロールでき、影響を与えられるもの」については「影響の輪」と考えます。ほとんどの人の場合、関心の輪のほうが大きく、その中に影響の輪があります。ちなみに本書の続編では「影響の輪」をさらに絞った「集中の輪」という概念も出てきますが、今回は置いておきます。

私が特になるほどと思ったのは、以下の考え方でした。

①まずは自分でコントロールでき影響を与えられる「影響の輪」に集中すること、そして、それ以外の関心の輪には心を煩わされないこと
②その上で「影響の輪」を徐々に広げていくこと

当時の私は、自分がコントロールできないことに不平不満を言い、ものすごく心を煩わされていたのです。

「この二つの輪のうち、自分の時間と労力を主にかけているのはどちらだろうか。それによって主体性の度合いがわかる。

主体的な人は、影響の輪の領域に労力をかけている。自分が影響を及ぼせる物事に働きかける。主体的な人のエネルギーには、影響の輪を押し広げていくポジティブな作用があるのだ。

一方、反応的な人が労力をかけるのは影響の輪の外である。他者の弱み、周りの環境の問題点、自分にはどうにもできない状況に関心が向く。こうした事柄ばかりに意識を集中していると、人のせいにする態度、反応的な言葉、被害者意識が強くなっていく。自分が影響を及ぼせる物事をおろそかにしてしまうと、ネガティブなエネルギーが増え、その結果、影響の輪は小さくなっていく。」

この考え方を学んでから、自分の言動を変えようと努力し始めました。自分がコントロールできる影響の輪に集中し、それ以外の関心の輪に対しては距離を置いて、不平不満、文句、悪口を言わないように意識し始めました。先日「悪口を言うと不幸になる7つの理由」を書きましたが、悪口、特に陰口を言わないようにしようと決めたのはこのときでした。

この関心の輪/影響の輪に関し、本書では結婚生活の例も出てきます。

「もし私が結婚生活に問題を抱えているとしたら、妻の欠点をあげつらって何の得があるだろう。自分には何の責任もないのだと言って、無力な被害者となり、身動きできずにいるだけだ。こちらから妻に働きかけることもできない。妻の短所に腹を立て、なじってばかりいたら、私の批判的な態度は、自分の短所を正当化するだけである。相手に改めてほしい短所より、それを責めてばかりいる私の態度のほうが問題なのだ。そんな態度でいたら、状況を好転させる力はみるみるしぼんでいく。

 私が本当に状況を良くしたいのであれば、自分が直接コントロールできること——自分自身——に働きかけるしかない。妻を正そうとするのをやめて、自分の欠点を正す。最高の夫になり、無条件に妻を愛し、支えることだけを考える。妻が私の主体的な力を感じ取り、同じような反応を選んでくれればうれしいが、妻がそうしようとしまいと、状況を改善するもっとも効果的な手段は、自分自身に、自分が『ある』ことに働きかけることである。」

婚活中の方には、ぜひ覚えておいていただきたい考え方です。

3. 「7つの習慣」を婚活に応用する(第2〜7の習慣)

以上の考え方は、仕事でもプライベートでも日常生活全般に有効です。もちろん、婚活でもそのまま活かしていただければと考えています。

上記では7つの習慣のうち第1の習慣しか取り上げませんでしたが、他の6つの習慣もそれぞれ非常に重要です。それぞれ見ていきます。

第2の習慣 終わりを思い描くことから始める

ビジネスではよく「ゴールから逆算して考える」と言いますが、それと同じようなことです。

まずは、人生の目標を考えることが重要です。目標がないとそこに向かうことはできません。本書では、それを「すべてのものは二度つくられる」という言い方で表しています。何事もまず知的な「第一の創造」があり、その後に、物的な「第二の創造」が行われます。

第一の創造とは、例えば人生の目標を考えることであり、第二の創造とはそれに向けて実際に行動に起こすことを意味します。

その際に有効なものとして、本書では「ミッション・ステートメント」の作成が勧められています。

「終わりを思い描くことから始める習慣を身につけるには、個人のミッション・ステートメントを書くのがもっとも効果的だ。ミッション・ステートメントとは、信条あるいは理念を表明したものである。個人のミッション・ステートメントには、どのような人間になりたいのか(人格)、何をしたいのか(貢献、功績)、そしてそれらの土台となる価値観と原則をかく。」

個人のミッション・ステートメントだけではなく、組織であれば組織のミッション・ステートメント、家族であれば家族のミッション・ステートメントを作成することが勧められています。私自身作成していますし、オンネアマリッジスクールとしても個人および家族のミッション・ステートメントを作成することを推奨しています。

第3の習慣 最優先事項を優先する

第2の習慣で考えたミッションやその時々の目標に向けて「最優先事項」は何かを考え、それを優先させるという習慣です。

ここでは、有名な「第II領域」の考え方が出てきます。時間管理のマトリクスとして、緊急度と重要度の二つの要素で4つの領域に分け、第II領域である「緊急ではないが重要である」ことを優先的に行おうという考え方です。

第I領域である「緊急かつ重要」なことを行うのは当然ですが、どうしても第III領域である「緊急ではあるが重要ではない」ことや第IV領域である「緊急でも重要でもないこと」に時間を使いがちです。

婚活であれば、結婚をするという目標があります。これは第I領域(緊急かつ重要)だと考える人もいるかもしれませんが、多くの人にとっては第II領域(緊急ではないが重要)になると思います。そう考えたときに、第III領域(緊急ではあるが重要ではない)や第IV領域(緊急でも重要でもないこと)にばかり時間を使っていないでしょうか。例えば、女子会や友人との旅行は、婚活中のあなたにとってどの領域になるでしょうか。そして、それは婚活よりも重要でしょうか。「最優先事項を優先する」習慣を持つ人が婚活でも成功します。

第4の習慣 Win-Winを考える

何らかの交渉が必要になった際、以下の6つのパターンが考えられます。

Win-Win 自分も勝ち、相手も勝つ
Win-Lose 自分が勝ち、相手は負ける
Lose-Win 自分が負けて、相手が勝つ
Lose-Lose 自分も負けて、相手も負ける
Win 自分が勝つ(自分の目標が達成できるかどうかが重要であり、他人は関係ない)
Win-Win or No Deal 自分も勝ち相手も勝つ、それが無理なら取引しないことに合意する

Win-Lose(自分が勝ち、相手は負ける)はパイの取り合いです。ゼロサムゲームであり、勝つか負けるかの価値観に染まった考え方です。

この中で問題なさそうに見えて実は厄介なのは、Lose-Win(自分が負けて、相手が勝つ)です。例えば、相手に好かれようとして自分の本当の気持ちを出さず、時間が経つにつれて不満が蓄積していくというパターンです。

ほとんどの人は、このWin-Lose(自分が勝ち、相手は負ける)とLose-Win(自分が負けて、相手が勝つ)の間を行ったり来たりしています。

その中で考えるべきは「Win-Win」(自分も勝ち、相手も勝つ)の関係です。そして、もしWin-Winができないのであれば取り引きしないという「Win-Win or No Deal」(自分も勝ち相手も勝つ、それが無理なら取引しないことに合意する)も視野に入れておく必要があります。

ちょっと視点は違いますが、婚活でWin-Winの関係が築けないと思ったら、No Deal(その人とは結婚しない)を選んだほうが良いということです。

第5の習慣 理解してから理解される(まず理解に徹し、そして理解される)

以前の訳では、確か「理解してから理解される」だったのですが、完訳になってから訳が「まず理解に徹し、そして理解される」に変わりました。個人的には以前の訳に親しみがあるので、そちらで書きたいと思います。

初めて本書を読んだとき、この「理解してから理解される」も実は自分の中では大きなパラダイム・シフトでした。普通の人は多かれ少なかれ承認欲求があるので、自分のことを理解してほしいと考えています。その中でも特にエゴが強い人は「私のことを分かって」となりがちです。

でも、「理解されるためには、その前に相手のことを理解しないといけない」というのです。禅問答のようにも思えますが、この習慣については長い時間をかけて取り組み、ようやく腹落ちするようになってきました。

この習慣で重要なのは「共感による傾聴」です。何度かお話ししているACR(Active Constructive Responding:積極的建設的可能)もこれに当たりますが、本書では、この「共感による傾聴」は単なるテクニックではないと戒めます。

「共感による傾聴とは、まず相手を理解しようと聴くことであり、相手の身になって聴くことである。相手を理解しよう、本当に理解したいという気持ちで聴くことである。パラダイムがまったく違うのだ。」

「共感とは、相手の視点に立ってみることである。相手の目で物事を眺め、相手の見ている世界をみることである。それによって、相手のパラダイム、相手の気持ちを理解することである。」

この「共感による傾聴」をするための注意点として、「四つの自叙伝的反応」が挙げられています。

「私たちはえてして、自分の過去の経験、いわば『自叙伝』を相手の話に重ね合わせてしまうため、人の話を聞く際に次の四つの反応をしがちになる。

・評価する——同意するか反対するか
・探る——自分の視点から質問する
・助言する——自分の経験から助言する
・解釈する——自分の動機や行動を基にして相手の動機や行動を説明する」

婚活のお見合いやデートの会話でも、この「自叙伝的反応」をしてしまっていないでしょうか。もちろん、会話をする上で「自叙伝」も必要だと思いますが、相手を理解するためには「自叙伝」に基づくメガネは邪魔になってしまいます。出来るだけ相手のメガネで相手を理解できるよう意識してみましょう。

第6の習慣 シナジーを創り出す

「創造的協力」により「1+1=3」を創り出そうという習慣です。

「シナジーとは、簡単に言えば、全体の合計は個々の部分の総和よりも大きくなるということである。」

本書では、ある夫婦が意見の相違に直面したとき、「第3の案を探す」ことでシナジーを創り出す話が出てきます。

「だから、二人はお互いの望みを一つに合わせることにする。向かい合って対立するのではなく、同じ側に立って問題を眺めてみる。お互いの希望を理解して、両方の希望をかなえられる第3の案を見出す努力をする。」

シナジーには、残念ながらネガティブなシナジーもあります。そうならないように「違いを尊重」することが重要です。

常に「違いを尊重」し、意見が合わないときは「第3の案」も含めて「共感による傾聴」で話し合い、シナジーを創り出していけたら、幸せな結婚生活を送れると思います。

第7の習慣 刃を研ぐ

第1から第6の習慣まで見てきましたが、何をするにも心身共に元気でないとなかなかうまく行うことはできません。

そこで、この第7の習慣「刃を研ぐ」では、自分自身を「再新再生」させるため、4つの側面で鍛え、磨くことを提唱しています。4つの側面とは「肉体的側面」「精神的側面」「知的側面」「社会・情緒的側面」の4つを指します。

「『刃を研ぐ』というのは、基本的に四つの側面すべての動機を意味している。人間を形成する四つの側面のすべてを日頃から鍛え、バランスを考えて磨いていくことである。」

「『刃を研ぐ』ことは、自分の人生に対してできる最大の投資である。自分自身に投資することだ。人せに立ち向かうとき、あるいは何かに貢献しようとするときに使える道具は、自分自身しかない。自分という道具に投資することが『刃を研ぐ』という習慣なのである。」

この「刃を研ぐ」習慣を考える上で、P(Production:成果)とPC(Production Capability:成果を生み出す能力)のバランスに注意することも重要です。P(成果)ばかり追い求めて、PC(成果を生み出す能力)を磨いていないと、遅かれ早かれP(成果)も得られなくなるということです。

4つすべての側面で自己投資、自分磨きをして常に「刃を研ぐ」こと、婚活でも忘れずに取り組みたいものです。

4. 目次紹介

完訳 7つの習慣 人格主義の回復
目次

はじめに

第一部 パラダイムと原則
インサイド・アウト
7つの習慣とは

第二部 私的成功
第1の習慣 主体的である
 パーソナル・ビジョンの原則

第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
 パーソナル・リーダーシップの原則

第3の習慣 最優先事項を優先する
 パーソナル・マネジメントの原則

第三部 公的成功

第4の習慣 Win-Winを考える
 人間関係におけるリーダーシップの原則

第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
 共感によるコミュニケーションの原則

第6の習慣 シナジーを創り出す
 創造的協力の原則

第四部 再新再生
第7の習慣 刃を研ぐ
 バランスのとれた再新再生の原則
 再び、インサイド・アウト

私がよく受ける質問
付録 問題解決のための索引

『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』
スティーブン・R・コヴィー著
https://www.amazon.co.jp/dp/4863940246/

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オンネアマリッジスクールは、日本結婚相談所連盟(IBJ)に加盟する結婚相談所です。IBJの持つ8万人弱の会員データベースから検索・紹介が可能であり、データマッチング型の強みも持ちつつ、会員一人一人の活動をマリッジコーチがサポートします。

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今日も幸せな1日を!

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