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高めてはいけない偽りの自己肯定感

婚活していてよく見かける「自己肯定感」。結婚できないのは自己肯定感が低いせいだと落ち込んで、負のスパイラルに陥っている人も見かけます。

婚活だけでなく、仕事や日常生活を送る上でも大事な自己肯定感ですが、解釈が曖昧だったり、間違えていたりすることが見受けられるので、自己肯定感の基本的な考え方と好ましいあり方についてお話しします。

目次

1. 自己肯定感とは

「自己肯定感」と似た言葉に、「自尊心」や「自己効力感」等があり、何がどう違うの?と思っている人は少なくないと思います。

自己肯定感という言葉自体は、1994年に高木忠一郎氏によって提唱されたもので、高木氏は自己肯定感を「『他人と共にありながら自分は自分であって大丈夫だ』という、他者に対する信頼と自分に対する信頼」と定義しています。

それ以降多数の研究が行われて様々な定義が試みられており、研究者によって定義自体が異なります。

こうした日本での研究の一方で、アメリカでは1970年代以降「self-esteem」(セルフエスティーム)の研究が盛んに行われました。ややこしいのは、このセルフエスティームの日本語訳に複数の言葉が充てられていることです。

self-esteem:自己肯定感、自尊心、自尊感情、自己評価、自己有用感⋯⋯

セルフエスティームの直訳は「自尊心」が近いと思いますが、日本語の「自尊心」には英語で言うところのプライドも含まれているという考え方もあり、「自尊感情」を推している人もいます。ただし、一般的には昨今の「自己肯定感」ブームもあり、今では「自己肯定感」が定訳のようになっています。

つまり、「自己肯定感」には日本国内での様々な研究により定義されたものと、セルフエスティームの訳語としてのものが混在するということです。ややこしすぎるので、ここでは「自己肯定感=セルフエスティーム」として話を進めます。

アメリカでは、1969年にサイコセラピストのナサニエル・ブランデン氏がセルフエスティームの本を出版して以降、多くの研究者が「成功、心理的健康、幸せ、人の成長に関係している」と報告し、カリフォルニア州では20万ドルの予算もつけられました。

ところが、セルフエスティーム研究の第一人者でアメリカの心理学者ロイ・バウマイスター氏は、2002年の研究でその効果を否定し、4つの問題を指摘しています。

①アンケートに主観性がまじっていた
主観的に「人気がある」「友達が多い」と思っていても、客観的にはそれほどではないことが多くありました。

②「自己肯定感」には2種類あった
「条件付き」と「無条件」の自己肯定感があり、「条件付き」は相対的なもので、他者との比較や評価により自信を得ている状態、「無条件」は絶対的なもので、他者の評価は関係なく、自分のいいところも悪いところも自己受容できている状態を表します。これらを区別せず、混在して研究されてしまっていたという問題です。

③自己肯定感が高いのは、幸せ・成功の結果であって原因ではないことが多い
自己肯定感の高さと幸せ・成功は、相関関係はあるけれども因果関係は乏しいということです。逆に、幸せ・成功を得ている人は、後に自己肯定感が高くなるという研究も行われています。

④良い親子関係が自己肯定感と成功・幸せの両方を高める
親による条件付きの愛(良い成績だからかわいがる等)は、条件付きの自己肯定感を助長します。無償の愛で愛し、良い親子関係を構築できると、自ずから無条件の自己肯定感を育めます。

2. 条件付きの自己肯定感に注意

注意しないといけないのは、条件付きの自己肯定感は、評価されないと自己否定に陥りやすくなることです。

例えば、仕事で成果を出していて自己肯定感の高さに自信がある人が、婚活を始めてお見合いが成立しないことに意気消沈し、自己肯定感が下がるというのは、まさにこのパターンと言えます。

無条件の自己肯定感がある人であれば、お見合いで断られるというマイナスの他者評価を受けても、ちょっとやそっとのことでは揺らぎません。そういう自分もまた自分であると自己受容することができるからです。

子育てにおいても同様です。例えば「テストで100点を取った」「競争で一番だった」という良くできた結果ばかり褒めていると、結果が伴わなかったときに、自己肯定感は下がってしまいます。

子供を褒めるのであれば、「よく頑張った」「難しいのによくやった」と努力や挑戦を褒めるのが好ましいです。そうすることで、子供は努力や挑戦することが良いということを学び、自律的に成長していきます。

子育てでは褒め方も大事ですが、無条件の自己肯定感を醸成するには、無償の愛で愛することが大切です。 成績等に関係なく、存在自体を無条件に愛すること。何があっても受け入れてくれるんだという、心の安全基地になること。

結婚も同じで、パートナーを無償の愛で愛し、心の安全基地になれたら素敵だなと思います。

3. 正しい自己肯定感の高め方

アメリカでは、自己肯定感(セルフエスティーム)は、幸せ・成功の結果であって原因ではないことが多いという研究結果を受け、また、他のテーマが注目されるようになり、自己肯定感ブームは下火になりました。

とはいえ、やはり気になる自己肯定感。

高めるべきは、条件付きの自己肯定感ではなく、無条件の自己肯定感です。

自己肯定感を直接高めようとすると、条件付きの自己肯定感に頼ってしまいがちです。ダイエットを成功させて自信をつけよう、化粧テクニックを身につけてモテるようになろう⋯⋯、「条件付きの自己肯定感の罠」に陥ってしまっているかもしれません。自分磨きはしたほうが良いと思いますが、自分磨きに成功することで自信をつけよう、それで自己肯定感を高めようというのは、まさに条件付きの自己肯定感です。

無条件の自己肯定感を高めるには、どうしたら良いでしょうか。

親との関係を良くすることもそうですが、自分の幸福度を高め、ウェルビーイングな状態にすることです。幸福度が高まれば、結果的に自己肯定感が高まることが知られています。

幸せになる方法を研究する学問としてポジティブ心理学があります。ポジティブ心理学コーチとして、幸せになる方法について書いていきますのでお楽しみに!

最後に、自己肯定感に似たものとして、self-efficacy(自己効力感:やればできるという感覚)が重要だと考えています。自己効力感が高いと、挑戦を恐れず成長できるからです。 婚活も「やればできる」♪

4. 具体的に相談したい方は

オンネアマリッジスクールは、日本結婚相談所連盟(IBJ)に加盟する結婚相談所です。

ポジティブ心理学コーチである代表が、一人一人の状況に合わせてコーチング、婚活をサポートしていきます。

ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ、お問い合わせください!

今日も幸せな1日を!

出典:
『世界に通用する子どもの育て方』松村亜里著 WAVE出版 2019年
https://ja.wikipedia.org/wiki/自己肯定感
https://ja.wikipedia.org/wiki/自尊心#自尊心に関する批判

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