代表のひでさん(小林秀行)です。
女性の希望条件によく出てくる「高収入、高身長、高学歴」のいわゆる「3高」。前回は「身長」について見てみましたが(「身長170cm以上希望は高望み?」)、今回は「年収」についてデータを確認し、「年収500万以上希望は高望み?」問題について考察します。
1. 平均給与
年収を知る上で最も包括的な資料は、国税庁が毎年行っている「民間給与実態統計調査」です。令和3年分がちょうど2022年9月28日に発表されたので、その報告資料を参照し、年収の実態について解説します。まずは、平均給与について見てみましょう。
男性全体の平均給与は545万円ですが、注意点が4つあります。
①この数値は給与所得者全体のもので、「正社員(正職員)」と「正社員(正職員)以外」の両方が含まれています。「正社員(正職員)」の平均年収は570万円と平均給与より若干高くなります。
②平均年齢は46.9歳で、婚活の中心層より高齢となっています。定年退職後の高齢男性等も含まれているので、年齢層による違いについて留意する必要があります。
③給与水準は地域差もあるので、婚活をする上ではそれも加味して理解する必要があります。
④この資料では既婚者と独身者の内訳がわかりませんが、他の統計では、独身者のほうがかなり低い結果となっています。
上記①については、「民間給与実態統計調査」の中でもこれ以上の詳細は分からないため、分析はここまでとします。④については、また別の機会に調べたいと思います。②については、年齢層別の資料があるので、それを見てみましょう。
婚活の中心層である30代前半の男性は472万円、30代後半の男性は533万円、40代前半の男性で584万円となっています。
年功序列的な会社もまだまだ多く、年齢が上がるにしたがって平均給与も上がるという構図になっています。
2. 年収分布
さて、平均給与だけでは、年収「〇〇万円以上」を希望する女性の参考にならないので、給与階級別の構成比についても調べてみました。
男性で構成比が高いのは上から順番に以下のとおりです。
①「400万円超 500万円以下」17.5%
②「300万円超 400万円以下」16.9%
③「500万円超 600万円以下」13.8%
つまり、「300万円超 500万円以下」で合計34.4%と全体の3分の1を占め、「300万円超 600万円以下」で合計48.2%と全体の約半数を占めています。
例えば600万円以上を希望する女性も多いですが、
「600万円超 700万円以下」9.4%
「700万円超 800万円以下」6.8%
この二つをあわせて「600万円超 800万円以下」で16.1%(端数の関係で小数点以下は単純合計になっていません)と約6人に1人になります。
さて、100万円単位での構成比ではなく、累積での早見表を作成してみました。
年収1,000万円超の男性は7.6%、800万円超は14.9%、600万円超は31.1%、500万円超は44.9%となっています。
3. IBJは高年収男性が多い?
ここまで、国税庁の「民間給与実態統計調査」の資料を見てきましたが、この資料は全給与所得者を対象としており、結婚相談所で婚活する男性とは少し層が異なると推測されます。
日本結婚相談所連盟(IBJ)の登録会員は、年収が比較的高い人が多いと言われますが、実際のところはどうなのでしょうか。
(1) 日本結婚相談所連盟(IBJ)の男性会員の年収
会員数だけだとよく分からないので、構成比率を出して全給与所得者の比率と比較してみます。
赤線で囲っている部分は、年収500万円以上の男性の構成比率が、IBJでは64.2%に対して全給与所得者では44.9%と20%弱IBJのほうが高いということを意味します。
また、年収1,000万円以上では、全給与所得者の7.6%に対してIBJは11.3%、年収700万円以上でも、全給与所得者の21.7%に対してIBJは31.1%となっており、いずれもIBJのほうが高年収の男性が多いという結果になりました。
(2) 成婚者の状況
実際に成婚した人が、どのぐらいの年収だったのかが日本結婚相談所連盟(IBJ)の「成婚白書〜2021年度版〜」に掲載されています。
年収500万円以上から成婚しやすくなると分析されていますが、年齢階層別に見てみると、アラサーに関しては300万円台以上から成婚しやすくなっています。
詳細は「成婚白書」をご覧いただければと思いますが、以下一部抜粋です。
<年収別成婚者構成比>
成婚者数の構成比の多い順に
①500万円以上600万円未満 19.7%
②400万円以上500万円未満 17.3%
③600万円以上700万円未満 17.0%
④700万円以上800万円未満 10.9%
⑤1,000万円以上1,500万円未満 10.1%
⑥800万円以上900万円未満 8.2%
⑦300万円以上400万円未満 6.2%
⑧900万円以上1,000万円未満 4.9%
⑨2,000万円以上 2.4%
⑩1,500万円以上2,000万円未満 2.3%
※300万円未満 1.0%
※詳細は以下をご覧ください。
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4. 年収500万以上希望は高望みか
さて、タイトルの「年収500万以上希望は高望み?」についてですが、ここまで読んでみてどう思われるでしょうか。
年収500万どころではなく、どうしても年収1,000万は欲しいという方もいらっしゃいます。年収1,000万円以上でも、IBJ男性では11.3%、全給与所得者の男性でも7.6%いるので、もちろん可能性はあります。
(1) 希望の設定水準
年収500万以上の男性は、全給与所得者の男性の中では「上位44.9%」であり、また、IBJの男性会員の中では「上位64.2%」となり、非常に大雑把に言って半分ぐらいということになります。
IBJで考えるとして、上位64.2%の人を対象にするということは、それ以外の35.8%、3分の1以上の人を対象外にするということになります。
例えば、希望条件を500万円以上から400万円以上に変えると、対象者は20%増えることになります。
「なぜその年収が必要なのか」次第ですが、年収以外の要素を重視したい場合は、水準を考え直したほうが良いかもしれません。
(2) 希望条件の掛け合わせ問題
年収以外の希望条件がなければ、そこに全力を注げば良いですが、ほとんどの女性は他にも希望条件があるものです。例えば、年収500万円以上、身長170cm以上、大卒の3つが必須条件だったとします。
年収500万円以上 64.2%(IBJ男性会員の場合)
×
身長170cm以上 60.6%(30代男性の場合)
×
大卒以上 69.2%(IBJの場合、短大・大学院卒を含む)
単純に掛け合わせると、対象者数は全体の26.9%になってしまいます。そして、おそらく他にも希望条件があるので、難易度はさらに上がります。
覚えておきたいのは、
①そういう男性に女性の希望が集中するので、競争率は非常に高い。
②希望する相手の希望条件を満たす要素を、あなたはどの程度持っているか。
特に②は重要です。「お相手に何をしたいか、してあげられるか」、この視点がないとただのないものねだりになってしまいます。
(3) なぜ年収が重要か
そもそも、なぜ年収が重要なのでしょうか。なぜその金額なのでしょうか。
年収に関して、以前、以下のツイートをしたことがあります。
婚活での「年収」に思うこと
1. 今の年収は将来の年収を保証しない(転職、倒産、病気…)
2. 年齢差による割引が必要(例︰35歳の600万は30歳の500万円)
3. 結婚後の生涯年収を要考慮
4. 世帯年収を要考慮
5. 年収より蓄財力、資産
6. 年収重視なら将来性で判断
7. 年収より性格、愛情(最重要)
生活が破綻するようでは困りますが、個人的には「7. 年収より性格、愛情(最重要)」が本当に大事だと思います。
さて、年収500万以上希望が「高望みかどうか」についてですが、年収以外に希望条件がないのであれば高望みとは言えませんが、普通は他にも希望条件があります。そうした希望条件すべてを満たすお相手のことを考えたときに、その人は結婚相手に何を求めているでしょうか。あなたはその人に「何をしたいか、してあげられるか」。そのバランスが取れているかどうかで、高望みかどうかは決まってきます。
「もし、あなたがお相手だったら、あなたと結婚したいですか?」
出典:
「令和3年分 民間給与実態統計調査 ー調査結果報告ー」
令和4年9月 国税庁長官官房企画課https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf
「成婚白書〜2021年度版〜」
結婚相談所ネットワーク IBJ日本結婚相談所連盟
https://www.ibjapan.jp/information/2022/06/1-147.html
具体的に相談したい方は
オンネアマリッジスクールは、日本結婚相談所連盟(IBJ)に加盟する結婚相談所です。IBJの持つ8万人弱の会員データベースから検索・紹介が可能であり、データマッチング型の強みも持ちつつ、会員一人一人の活動をマリッジコーチがサポートします。
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今日も幸せな1日を!
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