代表のひでさん(小林秀行)です。
婚活で「ありのままの自分を受け入れてほしい」という人は多いです。「素の自分を出せる」「素のままの状態でいられる」「自然体でいられる」「自分らしくいられる」も同じような考え方です。
一見、当然のことのように思えますが、一歩間違えるとチャンスを遠ざけてしまう可能性もあります。「ありのままの自分を受け入れてほしい」と思うことの問題について解説します。
問題1. 変化を拒否
そもそも「ありのままの自分」とは何でしょうか。
「自然体の自分」「素のままの自分」「素の自分」「自分らしい自分」と言い換えても同じことです。一般的なイメージはこういう感じでしょうか。
(相手に対して)
・自分を大きく見せようと無理をしたり、逆に自分のことを卑下したりすることもない
・何も取り繕ったり着飾ったりする必要がない
・気を使わなくて良い
・気楽
・落ち着く
ちょっと考えてみると、まるで幼児です。3歳児であれば「ありのままの自分」でいても、社会も受け入れてくれます。しかし、小学生でも「ありのまま」だと社会が受け入れてくれなくなってきます。
極論を言えば、「ありのまま=本能」とも言えます。
・働きたくない
・家事育児したくない
・身だしなみを整えるのは面倒臭い
・ずっと寝ていたい
・セクシーな人がいい
まさに「欲望の赴くままに」ですが、もはや映画の中の世界な気がします。
また、「気を使わない」と言う意味では自分の母親に対する態度のようにも思えます。小さいときからのすべてを知られているので取り繕いようもないですし、長い間一緒に住んでいたので思っていることもすぐに理解してくれます。何より母親としての「無条件の愛」があり、何を言っても嫌われる、見放されるという不安はまったくありません。当然、変に気を使うこともないでしょう。
しかし、学生生活や社会人生活を送るうえで、幼児や自分の母親に接するような態度で臨んできたきた人は、まずいないと思います。例えば、就職活動で企業の基準や要求に応えず、普段の自分と変えたくないからといって、Tシャツ・サンダルで面接に行ったら落とされることは目に見えています。
これと似て、「ありのままの自分を受け入れてほしい」と言う人のなかには「今のままの自分」を受け入れてほしいという意味で言っている人もいるように思われます。これだと、「今の自分から何も変えたくない」し、「相手や環境に合わせるようなことは何もしたくない」と言っているように聞こえます。
「努力」や「成長」を拒み、「変化」を拒否する態度です。
婚活でも、「今のままの自分」でいたいからといって、髪の毛はボウボウ、服はヨレヨレでお見合いに行ったら十中八九断られます。身だしなみをきちんとするのは、相手を尊重することに他なりません。その程度の気遣いもしてくれないあなたに魅力を感じる異性は、まずいないでしょう。
身だしなみぐらいはちゃんとするとして、会話はどうでしょうか。立ち居振る舞いはどうでしょうか。笑顔で相手に接しているでしょうか。
好きでもないのに相手に「媚びたくない」という女性もいます。男性からすると、あなたのために気を使うのは馬鹿馬鹿しいと言われているように感じます。「媚びる」とは「人に気に入られるような態度・行動をとること」ですが、「相手を尊重して心地良く接する」ことと「媚びる」ことはまったく異なります。普段から相手を尊重し、笑顔で心地良く接しようとしていない人に、人間的な魅力は感じにくいのではないでしょうか。
また、非モテの人ほど、なぜか自分を変えたくないというこだわりがあり、それで自滅しているという話もよく聞きます。その変えたくないこだわりが「条件付きの自己肯定感」の拠り所となっていて、それを崩されたくないという思いが強いのかもしれません。
「無条件の自己肯定感」がある人であれば、ちょっとやそっとのことで自分が揺らぐことはなく、変化することを極端に恐れることもありません。その余裕がモテる要因にもなっています。
◆関連記事
「ありのままの自分」とは、本来、潜在能力も含めた自分の可能性に焦点を当てた全人的なものであると思います。いいところも悪いところもすべて自分であることを認めたうえで、自分に備わっている能力・資源を100%使おうとする状態が「ありのままの自分」だと思うのです。
努力を厭わず、成長を志向し、変化を楽しむ、そして、相手への敬意があり、笑顔で心地良く接する、そういう姿勢が根底にあっての「ありのままの自分」は素敵だなと思います。
一方で、常に努力だと疲れてしまいます。ときには「セルフコンパッション」(自分への思いやり)も非常に重要です。これについては、あらためて書く予定です。
問題2. ありのままの相手は受け入れていない(ありのままブーメラン)
「ありのままの自分を受け入れてほしい」と言う人に限って、相手の「ありのまま」は受け入れられない傾向がある気がします。
「ありのままの私を愛して、そして、私の要望はすべて満たして」と女性に言われたら、男性は「俺のありのまま」も受け入れてほしいと思うに違いありません。
私のありのままは受け入れてほしいけど、相手には条件の希望だらけで、あちこち直してほしいというのでは、あまりにアンフェアです。
愛してほしいなら先に愛を与えるべきであり、ありのままの自分を受け入れてほしいなら、先にありのままの相手を受け入れるべきなのです。
逆に言うと、「ありのままの相手を受け入れられない」のであれば、「ありのままの自分を受け入れてほしい」とは思わないことです。
「ありのままの相手を受け入れる」には、相手を「無条件の愛」で愛する覚悟が必要です。あれをしてくれたから、これをしてくれたからという「条件付きの愛」ではなく、その人の存在そのものを愛するのです。「恋愛と結婚の違い」で、結婚は相手を愛するという「意志」と書いたとおり、強い意志と愛の力が必要です。難しいことですが、そうすることで夫婦の繋がりは強固なものになります。
先に相手のありのままを受け入れられる人は婚活でも強いです。結婚するということは、やはりすべてをさらけ出していくことになります。結婚が近づけば近づくほど、相手のいいところだけでなく気になるところも出てくるでしょう。そのたびに、減点主義でこの人は駄目だと終わりにしてしまっていては、永久に結婚できないかもしれません。
恋愛は非日常であり、会いたいときにしか会わないので、自分の嫌な面を相手に見せることも少ないですが、結婚は日常であり、毎日の生活です。その意味で、結婚相手は今まで付き合った人の中で一番短所が目に付くかもしれません。でも、それは相手があなたとの結婚を本気で考えているからとも言えます。見極めは必要ですが、恋愛視点ではなく結婚視点で考えてみましょう。
◆関連記事
問題3. ありのままの自分を受け入れていない
「ありのままの自分を受け入れてほしい」と言いながら、自分自身が「ありのままの自分」を受け入れられていないというのもよくあることです。
「ありのままの自分」を受け入れるとは、自分のいいところも悪いところも受け入れるということですが、その自己受容ができず、自己否定してしまっている場合もあります。当然、無条件の自己肯定感は低い状態です。
自分で自分のことが受け入れられないので、他の人に満たしてもらいたいというある種の承認欲求とも言えます。
原因として考えられるのは、親や友人との関係で、無条件の愛を十分に受けることができず、小さい頃から否定されたり、拒否されたり、無視されたりといったことがあったのかもしれません。
原因が何であれ、自分で自分のことを受け入れて大切にできないのに、相手に受け入れてほしいというのは、ちょっと求めすぎかもしれません。親が無条件の愛で愛してくれているように、自分のことを愛してあげましょう。
その際に役立つのが、自分の強みに注目する考え方です。自分の強みの見つけ方については、以下の記事をご覧ください。
◆関連記事
問題4. ありのままの自分を出していない(自己矛盾)
「ありのままの自分を受け入れてほしい」と言う方は、「本当に」ありのままの自分を受け入れてほしいと思っているでしょうか。
もしかしたら、本当に「ありのままの自分」を知られたら困ると思っていないでしょうか。
というのも、「ありのままの自分を受け入れてほしい」と言う人に限って、自分を出していないと感じることも多いからです。
これも上記「3. ありのままの自分を受け入れていない」と根は同じですが、そもそも自己受容できずに自己否定や自己嫌悪に陥っていて、無条件の自己肯定感が低く、ありのままの自分を見せられないという状態です。
自分で自分のことを受け入れられていないのを、他の人に満たしてもらいたくて「ありのままの自分を受け入れてほしい」と口では言うものの、結局は嫌われたくない心理が働いて、素の自分を隠したり、偽ったりしてしまうのです。
そうすると、相手はますますその人のことが理解できないため受け入れようがなく、誤解を生むことも出てきてしまいます。言っていることとやっていることがまったく違い、自己矛盾を起こしています。
問題5. すべてさらけ出す(偽りの誠実さ)
上記「問題4. ありのままの自分は出していない(自己矛盾)」とは逆に、「ありのままの自分」をすべて知ってほしいからといって、最初からすべてを相手に伝えて、それを受け入れてほしいと思うタイプの人もいます。
例えば、ネガティブ情報を含めて、プロフィールにすべて正直に書きたいとか、お見合いの段階で必要以上に自分の過去を打ち明けたいとか、そういう方がたまにいます。
これも根っこは同じで、自分で自分のことを受け入れられていないという問題があるように思います。劣等感や罪悪感から、相手に話してしまって早く楽になりたいと思ってしまうのです。
これはこれで誠実そうに見えて、相手にとっては知りたくなかったというようなこともあり得ます。嘘は良くないですし、伝えるべきことを隠すのも駄目ですが、伝えるタイミングや言い方を含めて、相手への思いやりを忘れないようにしたいものです。
具体的に相談したい方は
オンネアマリッジスクールは、日本結婚相談所連盟(IBJ)に加盟する結婚相談所です。IBJの持つ8万人弱の会員データベースから検索・紹介が可能であり、データマッチング型の強みも持ちつつ、会員一人一人の活動をマリッジコーチがサポートします。
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ、お問い合わせください!
今日も幸せな1日を!
コメント