代表のひでさん(小林秀行)です。
夫婦生活の課題や成功例を知っておくために、
前々回「離婚理由に学ぶ夫婦の課題」、
前回「結婚後も幸せが続く夫婦の特徴」について
解説しました。
それを踏まえて、今回は夫婦の価値観の違いでよく問題になる10項目を取り上げ、幸せな結婚をするための考え方について解説します。
夫婦の価値観の違い10選
一部の価値観は、夫婦で合わないと苦労するものもありますが、基本的には価値観が合わないこと自体は問題ではなく、むしろ異なった価値観により新たな視点を得られたり、お互いに補いあえるというメリットもあります。
大事なのは、何か問題が起きたときに二人で「話し合って」解決できるかどうかであり、お互いに相手に対する思いやりや感謝の念があるかどうかです。その前提で、10項目の価値観について解説していきます。
(1) 人生観・結婚観
①ライフプラン、夢
人生で実現したい夢は何でしょうか。それに沿ってどのような結婚観を持っているでしょうか。相手が実現したい夢は、あなたとの結婚で実現できそうでしょうか。また、あなたもそれで幸せになれそうでしょうか。
二人で人生の「ミッション・ステートメント」(人生における理想のあり方や目標)を作成したり、「人生でやりたいことリスト100」について考えたりするのもお勧めです。
②キャリアプラン
ライフプランに沿って、どのようなキャリアプランを持っているでしょうか。また、どのような「仕事観」「仕事意識」を持っているでしょうか。
③宗教・倫理観
家族を含めて、宗教の状況は確認しておきましょう。
(2) 愛情
①無条件の愛
「無条件の愛」とは、自分が配偶者にしたことに対して見返りを求めるのではなく、その人のすべてを受け入れ、何があってもあなただけは配偶者の味方になり「心の安全基地」になるという真の愛です。
②感謝と思いやり
常に相手への感謝を忘れず、思いやりを持って接します。
③愛情表現
相手への愛の気持ちを言葉や態度できちんと表します。二人で過ごす時間を大切にし、記念日も二人で祝います。
④体の相性
お互いが求めるスキンシップを行い、愛情を持って接します。
⑤異性関係
パートナーを悲しませるようなことは行いません。
(3) 性格
離婚理由のトップである「性格の不一致」ですが、現実的には、性格が完全に一致することは考えられません。モラハラ・DV等どうしても許容できないことがある場合は別として、相手の嫌なところを見るのではなく、相手の良いところを見るようにして過ごすと、世界が異なって見えてきます。
「減点主義」より「加点主義」と言うとわかりやすいかもしれません。ポジティブ心理学では、減点主義(相手の嫌なところを見ること)を「ギャップ・アプローチ」と言い、加点主義(相手の良いところを見ること)を「ポジティブ・アプローチ」と言います。
少し補足すると、ギャップ・アプローチとは、問題点に注目し、問題の原因分析をすることで、不足している点をどう改善するかを考える思考方法です。一方で、ポジティブ・アプローチとは、過去や現状の問題よりも、未来志向・解決志向型で、将来の目標に向けて強みをどう活かすか考える思考方法です。
さて、このポジティブ・アプローチで相手の強み・長所に注目できるようになれば、性格が合わないことさえもお互いにとってプラスになる可能性があります。お互いの違いを楽しみ、補い合うということです。
性格の相性が完全に合うということはないですし、それが必ずしも良いとは言えないことはご理解いただけたと思います。その上で、性格の中で最も重要なのは「話し合える」ことです。
①話し合えること
普段から「ACR」(Active Constructive Responding:積極的建設的反応)」で会話し、何か問題が起きても自己中心的にならず、相手の立場に立って話し合えることが重要です。
ACRとは、相手が良い出来事を共有してくれたときに、積極的に(=興味を持って)建設的に(=喜んで)反応する傾聴方法を指します。相手を大切にしていることが伝わり、相手が幸せになり、自分も幸せになり、二人の関係を強めます。
ACRでない聞き方の例として、
(i) そもそも相手の話をちゃんと聞いていない「生返事」
(ii) 相手にとって良い出来事を否定する「一言多い」反応
(iii) 興味を持って聞かずにすぐに自分の話題に変えてしまう「会話ドロボー」
が挙げられます。二人でいるときは、スマホを触りながらではなく全身全霊で向き合って、相手の話題に興味を持って聞きましょう。
②感謝と思いやり
上記(2)愛情と同じです。
③笑顔(明るさ、前向きさ)
家に帰ってきて、相手が笑顔だったら嫌だという人はいないと思います。笑顔の人は、内面的にも明るく前向きな思考をしています。「笑顔に勝る魅力なし」です。私自身、結婚して幸せを感じる瞬間の一つが「妻の笑顔」です。
④不平不満、悪口
反対に、常に不平不満、悪口を言っている人は、自分自身が最もダメージを受けているということを理解して、控えるようにしたほうが人生が好転します。
◆関連記事◆
⑤モラハラ・DV
論外です。自分がやってはいけないですし、交際中の人がそうであれば、結婚は止めておきましょう。
(4) 金銭感覚
①家計への貢献
それなりの収入があったとしても、家計に使おうとしなければ結婚生活は苦境に陥ってしまいます。高収入の人だからと言って安心はできません。結婚後は、夫婦は一心同体、二人で協力して財産を築いていくように努力しましょう。
なお、民法上の夫婦の財産の帰属関係等については、「恋愛と結婚の違い」の「5. お金」の項目で解説しています。あわせてご覧ください。
◆関連記事◆
②浪費・散財/節約・倹約
娯楽や自己投資のために「宵越しの銭は持たない」という考えの人も入れば、節約・倹約が習慣になっていて、それが趣味にまでなっている人もいます。そもそも消費欲、購買欲があまり無いという方もいます。家計に大きな影響を与える場合は、お互いに不満を感じてしまう可能性があります。
③貯蓄・投資
節約・倹約型の人に多そうですが、やりたいことや老後に備えてこつこつと貯めている人や、そもそも貯蓄・投資が趣味になっている人もいます。浪費・散財型の人とは相性は良くなさそうですが、よく話し合って二人の納得解を見つけられるようにしましょう。
④持ち家か賃貸か
もはや宗教論争とも言えるテーマですが、費用の問題もあるので、都市部とそれ以外でも異なってきそうです。
⑤モノか想い出か
物欲か、体験かということですが、これもある程度タイプが分かれそうです。
(5) 家事・育児意識
家事・育児をどの程度取り組もうと思っているかの意識です。昭和時代のような「男子厨房に入るべからず」といった「夫婦観」「ジェンダー観」では、女性の理解は得られず、苦労することになるでしょう。
家事・育児に関する各種調査を見て分かるのは、
①夫・妻で家事育児を同じ程度行ったほうが夫婦の幸福度が高い。
②実際には、女性の負担が大きく、そう感じている女性が多い。
③夫が自分でやっていると思っているほどには、女性には評価されていない。
という現実があります。
◆関連記事◆
(6) 育児・教育方針
①子供
子供が欲しいか。不妊治療を行うか。
②育児・教育方針
どんな教育を受けさせるか。褒め方叱り方等。
(7) 食事
①食の好み
料理するにしても外食するにしても、お互いの「嫌いなもの」は食べにくくなります。自分の「嫌いなもの」が相手の「好きなもの」がである場合、うまく折り合いがつけられるように、お互い思いやりを持って接したいものです。
②食べ方
婚活でもよく出てくる食べ方の問題は、結婚後の夫婦からもよく聞きます。お互い、どうしても気になるところは溜め込まずに話し合って改善を試みましょう。
(8) 衛生観念
①整理・整頓・清掃
整理・整頓・清掃(不要なものは捨てて整理し、きれいに整頓して、掃除する)の意識が、人によって大きく異なります。綺麗好きな人と無頓着な人が一緒になると、綺麗好きな人はいらいらすることになってしまいますが、そこで相手を責めても相手は必要性を感じていないので、理解されにくく、あまり得策とは言えません。
基本的には「気になったほうがやればいい」とおおらかに受け止めるのが一つの考え方です。また、「きれいになると嬉しい」と伝えていくのも一つの方法でしょう。
②「溜め込み派」と「捨て派」
モノを捨てられない「溜め込み派」の人と、「ミニマリスト」に代表されるように不要なモノは出来るだけ減らしてすっきりしたい「捨て派」の人がいます。夫婦で共同生活をしていると、これも揉めるポイントの一つですが、闇雲に相手を非難することは避けたほうが良いです。
捨て派の人は、溜め込み派の人はなぜ捨てられないのか、その理由を理解してあげる必要があります。
◆関連記事◆
③コロナ禍における衛生意識
コロナ禍で在宅ワークが急増したことから「コロナ離婚」まで起きていますが、手洗い、消毒、うがい、マスク等に関する衛生意識のずれが一因となっていることもあります。
(9) 生活習慣(ライフスタイル)
①生活リズム
例えば、夜型か朝型かといったことです。シフト勤務の方もこの問題があり、調整が必要です。
②趣味・休日の過ごし方
趣味が同じだと二人で楽しめるかもしれませんが、必ずしも同じ趣味を持つ必要はないですし、相手に違う趣味があるのであれば、一緒にやってみるという楽しみ方もあります
休日の過ごし方も、インドア派かアウトドア派かで、また、一人の時間を大切にしたいか大勢で過ごすほうが好きかで、相性は異なりますが、相手への尊重と興味関心を持つことで、二人なりの過ごし方を見つけられるようにしましょう。
③時間感覚
例えば「絶対に遅刻してはいけない」という価値観を持っていて、常に「5分前行動」を心がけている人もいれば、「ちょっとぐらい遅れてもいいだろう」という価値観の人もいます。少なくともビジネスでは後者は考えられませんが、夫婦においては、多少の寛容さは持っていたほうが良いと思います。
仮に、相手が遅刻した際にあなたならどういう反応をするでしょうか。
【遅刻されたときの対応】
1. 怒る
2. 何かあったのか心配する
3. 来てくれたことに感謝
1は自分目線、2は相手目線、3は超越?
昔、私が遅刻したのに心から笑顔で待ってくれていた女性がいていい意味で驚いたことがあります。遅刻されたら相手は申し訳ないと思っているので、逆にチャンスかもしれません。
とはいえ、遅刻は相手の時間(≒命、お金)を奪い、約束を破る行為です。遅刻常習犯の人は、その分信頼を失うことになりますし、婚活では、結婚のパートナーとして考えたとき、嫌がられるリスクは高まります。特に高年収の人ほどその傾向があります。その意味で、遅刻や時間の感覚が近い人のほうがもめにくいと言えます。
④電気の消し忘れ
あるあるですね。
⑤トイレのふたを閉める閉めない
こちらもあるあるです。
(10) 家族親族関係
①相性
そもそもパートナーの家族親族と折り合いが良いか悪いかという問題があります。
②距離感
家族親族により、会う頻度や距離感が大きく違うことがあります。男女共あまりに親離れ子離れできていないのは、独立した夫婦として好ましくないと思いますが、お互いに納得できる距離感を築けるようにしましょう。
③年末年始等の帰省
夫婦の実家がどちらも遠方でばらばらの場合、いつどちらに帰省するのかという問題があります。自己中心的にならず、相手の気持ちも考えて相談しましょう。
④常に配偶者の味方
妻/夫が自分の家族親族と何かあった際、妻/夫ではなく自分の家族親族の味方になってしまう人がいます。夫婦は家庭の最小単位です。(2) 愛情でも触れたとおり、「無条件の愛」を持って、常に配偶者の味方でいれるようにしましょう。
具体的に相談したい方は
オンネアマリッジスクールは、日本結婚相談所連盟(IBJ)に加盟する結婚相談所です。IBJの持つ8万人弱の会員データベースから検索・紹介が可能であり、データマッチング型の強みも持ちつつ、会員一人一人の活動をマリッジコーチがサポートします。
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ、お問い合わせください!
今日も幸せな1日を!
コメント