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婚活疲れを起こさないために
〜自分への思いやり〜

代表のひでさん(小林秀行)です。

婚活をしていて、お見合いが組めなかったり、交際が成立しなかったりすると、なんだか自分を否定されてしまったように感じるものです。それでも無理して頑張っていると、婚活を続けるのが辛くなってきて「婚活疲れ」の状態になってしまいます。

そんなとき、こんなことではいけないと、つい自分を責めがちです。そうすることで、さらに自分を追い込んでしまいます。その結果、辛そうなあなたには本来の輝きがなくなってしまい、婚活がますますうまくいかなくなるという悪循環に陥りかねません。

そんなあなたに大事なのは「自分への思いやり」(セルフコンパッション)です。今回は、苦しいときほど自分を思いやることの重要性についてお話しします。

目次

1. 婚活疲れになる前に、自分への思いやりを大事に

(1) 婚活疲れになる前に

誰でも婚活が辛いと感じることがあります。どんなに条件が良い人でも、相手から断られることはあるし、交際が常にうまくいくとは限りません。まして、条件的にあまり良くない人であれば、なかなか思うように進まず、婚活が辛いと思ったことは一度や二度ではないでしょう。

そういうときに限って、いいなと思っていた人から交際終了されたり、周りの人からダメ出しをされたり、そういうことが重なって、最後には「なんで私だけ」と自分で自分を責めてしまいます。そのまま無理して進めて、婚活うつになってしまうのは避けたいところです。それには、どうすれば良いでしょうか。

まずは、自分で自分を大切にしてあげることです。自分が辛いということを認め、そんな自分を許し、自分にとって優しいことをするのです。

これを心理学では「セルフコンパッション」(自分への思いやり)と言います。「コンパッション」(英語:compassion)は「思いやり」と訳されますが、語源は「ともに苦しむ」を意味するラテン語の「compati」にあり、「他者の苦しみや不幸に対して同じように心を痛めること」を意味します。

コンパッションには、他者への思いやりや他者からの思いやり、自分への思いやりがありますが、自分への思いやりのことを「セルフコンパッション」と言います。

苦しみから目を背けず、苦しみと向き合って緩和していこうというのが、このセルフコンパッションのあり方です。

(2) セルフコンパッションの効果

アメリカの心理学者クリスティーン・ネフ博士を先駆者として、様々な研究が行われており、セルフコンパッションは、ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること)の身体面、精神面、社会面すべてを高める効果が確認されています。

身体面
ストレスホルモンであるコルチゾールが低下、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンの分泌を促進させ、免疫力が高まります。

精神面
不安や抑うつが抑えられ、幸福感や楽観性などのポジティブ感情が増加します。

社会面
良好な人間関係を築け、他者に支援を求めようと思えるようになります

(3) 自分を甘やかすこととの違い

いいことずくめに思えるセルフコンパッションですが、「自分を甘やかしていいんだろうか」「自分を甘やかしたら駄目になってしまうのではないか」と心配する人がいます。そういう私もそんな一人でした。

自分に厳しい人や真面目な人ほど、頑張り続けようとします。そして、努力していないと期待する成果を得られないのではないかと不安になるのです。

それは一面真理です。オリンピックで金メダルを取るような選手は、世界一の目標を立てて、世界中の誰よりも努力をしようとするのは当然のことでしょう。そんな世界クラスのアスリートでも、精神面のコントロールは非常に重要です。そもそもモチベーションが維持できないと努力することはできません。

だからこそ、セルフコンパッションなのです。辛いとき、苦しいときに、自分を責めてもストレスにしかなりません。ストレスホルモンが出て、より悪い方向に向かってしまいます。

セルフコンパッションの効果について、次章で具体的な研究事例をご紹介しますが、アメリカの心理学界では、2003年にセルフコンパッションの考え方が登場して以来、自己肯定感よりもセルフコンパッション自己効力感のほうが大事だと考えられるようになってきています。そのぐらい「セルフコンパッション」は注目されているということです。

ここでいう自己肯定感は「条件付きの自己肯定感」のことであり、それとは異なる「無条件の自己肯定感」はセルフコンパッションにつながります。「条件付きの自己肯定感」とは、例えば「良い大学を卒業する」「良い企業で働いている」「年収が高い」といった条件を満たしたことで得られる自己肯定感のことです。詳しくは以下の記事をご参照ください。

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2. セルフコンパッションの研究事例

3つの事例をご紹介します。研究事例よりセルフコンパッションを高める方法に興味がある方は、次章(3. セルフコンパッションを高める方法)をご覧ください。

(1) 勉強とセルフコンパッション(自己肯定感との比較)

アメリカのUCバークレー(カリフォルニア大学バークレー校)で2012年に行われた研究です。18歳から23歳の男女学生86名を対象に、GRE (Graduate Record Examination) という難しい反意語のテストを10問形式で受けてもらいました。

1回目の正答率は平均で40%(10問中4問)でした。

その後、ランダムに①セルフコンパッション、②自己肯定感、③介入なしの3つのグループに分けて、セルフコンパッションと自己肯定感のグループにはそれぞれ以下のメッセージを提示します。

セルフコンパッションのグループ

「今受けたテストが難しいと感じたととしても、それはあなただけではありません。このようなテストが難しいと感じるのは普通のことです。あなたの成績が良くなかったとしても、自分に厳しくしすぎないでください。」

‘If you had difficulty with the test you just took, you’re not alone. It’s common for students to have difficulty with tests like this. If you feel bad about how you did, try not to be too hard on yourself.’

自己肯定感のグループ

「今受けたテストが難しいと感じたとしても、自分のことを悪く思わないでください。あなたはバークレーに入ったのだから賢いはずです。」

’If you had difficulty with the test you just took, try not to feel bad about yourself—you must be intelligent if you got into Berkeley.’

その後2回目のテストを受けてもらうのですが、この「バークレーに入れた」という自己肯定感は、まさに「条件付き」の自己肯定感です。

さて、2回目のテストの前に好きなだけ準備をして良いことになっていますが、その際の「勉強時間」で最も長かったのは、セルフコンパッションのグループで、次いで自己肯定感、介入なしの順でした。セルフコンパッションのグループは、勉強した人としなかった人の差が大きかったのですが、平均は、自己肯定感のグループより33.3%長い結果となりました。

つまり、バークレーという難関大学に入れたという(条件付きの)自己肯定感を高めようとするより、セルフコンパッションを高めるほうが、勉強しようという意欲を高めたということです。

テスト成績については、統計上の有意差は出なかったものの、セルフコンパッションが最も良い成績を収めました。この研究の研究者たちは、勉強時間が長くなることで成績が良くなることが期待できると結論づけています。

勉強時間
セルフコンパッション:平均306.5秒(標準偏差236.95秒)(n=29)
自己肯定感:平均229.9秒(標準偏差119.15秒)(n=27)
介入なし:平均203.2秒(標準偏差101.09秒)(n=30)

テスト成績
セルフコンパッション:平均7.4(標準偏差2.06)
自己肯定感:平均6.9(標準偏差2.21)
介入なし:平均7.0(標準偏差1.95)

出典:

‘Self-Compassion Increases Self-Improvement Motivation’
Juliana G. Breines and Serena Chen
Personality and Social Psychology Bulletin 2012 38: 1133 originally published online 29 May 2012

https://static1.squarespace.com/static/50f6f441e4b08191027c661d/t/51663d46e4b060cd9194ed75/1365654854068/Breines+%26+Chen+2012+PSPB.pdf

(2) ダイエットとセルフコンパッション

ダイエット中の若い女性たちに「ドーナツとお菓子」を食べてもらう実験です。最初にドーナツを1つ4分以内に食べてもらい、お腹を膨らませるためコップ1杯の水を飲んでもらいます。その後、2つのグループに分けるのですが、Aグループには罪悪感を和らげるような温かい言葉(以下参照)をかけ、Bグループには特に言葉をかけません。

「実験ではドーナツを丸ごと食べたせいで罪悪感を覚える方がよくいますが、あまり自分に厳しくしないようにしてください。誰だって時には自分を甘やかすこともあることを忘れないでください。」

その後、数種類のお菓子(以下参照)を出し、味を評価するよう依頼します。その際、食べる量は自由と伝えます。

お菓子
リーシーズのピーナッツバター・チョコレート風味のポッパーズ、フルーツ風味のスキットル、ヨーク・ペパーミント・パティ

そこで、お菓子を食べた量を測ったところ、以下の結果となりました。

Aグループ(慰めの言葉あり) 平均28g
Bグループ(慰めの言葉なし) 平均70g

Aグループへの慰めの言葉は、セルフコンパッションを促したものと言えます。それにより、①自分を許すことで罪悪感から解放され、②誰でもそういうことはあると「人とのつながり」を感じ、③自分に厳しくなりすぎることをやめられたようです。結果的に、逆に食欲をコントロールでき、食べすぎずにすみました。

一方で、慰めの言葉のなかったBグループは、①罪悪感から自己嫌悪に陥り、②私はどうして食べてしまうのだろうと人との違いに落ち込み ③自分を責めてしまい、結果的に、食欲をコントロールできずに食べすぎてしまったようです。

出典
‘Promoting Self-Compassionate Attitudes Toward Eating Among Restrictive and Guilty Eaters’
Claire E. Adams, Louisiana State University, and Mark R. Leary, Duke University,
Journal of Social and Clinical Psychology, Vol. 26, Issue 10, Dec 2007, pp. 1120–1144
https://guilfordjournals.com/doi/10.1521/jscp.2007.26.10.1120

参考
『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル著

(3) 就活とセルフコンパッション

上記(1)(2)はアメリカでの事例ですが、日本でもセルフコンパッションに関する研究は増えてきています。ここでご紹介するのは、就活に関するものです。

就活では、「お祈りメール」と呼ばれる不採用通知を受けて、精神的なダメージを受ける学生が多数います。就活も婚活と似ていて、相手との相性やタイミングがあるので、いくら自分が頑張ったからといっても必ず採用されるとは限りません。また、なぜ駄目だったのかが分かりにくい部分があります。そのため「やっぱり自分は駄目なんだ」と自己否定に陥りがちです。

追手門学院大学心理学部の宮川裕基講師によると、セルフコンパッションの高い人、つまり自分を思いやれる人は、就活において、①仮に結果が芳しくなくても耐えられる、②次に向けて頑張れるということがわかっています。

「(宮川先生)大きくは2つの点が明らかになりました。セルフコンパッションの高い人、つまり自分を思いやれる人は、仮に不採用を受けたとしても、それに過剰な脅威を感じない。『これは本当にダメなことで、情けないことなんだ』という捉え方をしないというのが1点目です。2点目は、セルフコンパッションが高く、かつ、もともと積極的な姿勢で就活に取り組もうとしている学生さんであれば、不採用を受けても次に向けて頑張っていけるという結果でした。つまり、セルフコンパッションは不採用における心理的苦痛を和らげる役割があるだけでなく、就活そのものに意味を見出していれば、再び立ち向かう推進力にもなることがわかりました。」

出典:
セルフコンパッションは、就活「お祈りメール」にくじけない心の処方せん
https://newsmedia.otemon.ac.jp/2106/

3. セルフコンパッションを高める方法

セルフコンパッション研究の先駆者であるクリスティン・ネフ博士を中心に、セルフコンパッションを高めるための方法は、多数開発されています。ここでは、セルフコンパッションの「3つの要素」についてご紹介します。

セルフコンパッションの3つの要素

クリスティン・ネフ博士は、セルフコンパッションの3つの要素として、以下を挙げています。

①自分への優しさ (Self-kindness)

②共通の人間性 (Common humanity)

③マインドフルネス (Mindfulness)

これらはどれから取り組んでも良いのですが、「3つのステップ」と考えて以下の順番に取り組むことで、セルフコンパッションを高めることができます。

(1) マインドフルネス(vs 過剰同一化)

一般的な「マインドフルネス」は「いま・ここ」に注目することを言いますが、セルフコンパッションにおけるマインドフルネスとは「ネガティブな感情を無理に抑えつけたり、過度に強調したりせず、あるがままに受け入れる」ことを意味します。

婚活で苦しいときは、空に浮かんでいる雲を眺めるように「ああ、自分は今、苦しいと思っている」というように、淡々と「あるがまま」に受け入れるのです。

一方で、ネガティブな感情に極端に入れ込んだり、何度も思い出したりしてしまうというような「過剰同一化」は避けるべきであり、うつになってしまう恐れもあります。

(2) 共通の人間性(vs 孤独感)

自分が求めるものが得られないとき、私たちは、まるで自分だけが苦しみ、過ちを犯しているかのように感じます。しかし、実際には、誰もが苦しむのです。

人間は、いつかは死ぬ存在であり、脆く、不完全です。だからこそ、苦難や能力不足は、自分だけに起きる問題ではなく、人として共通の問題です。誰でも経験するものだと思うことで、人とのつながりを感じることができ、そうした問題で苦しまずに済むようになります。

例えば、プレ交際に入ってもなかなか前に進むことができないとき、SNSで成婚退会の報告を聞くたびに、なぜ「私だけ」がこうもうまくいかないのかと思ってしまいます。しかし、現実は、ほとんどの人があなたと同じように苦労しているし、成婚退会の報告をした人もそれぞれに苦労のストーリーがあるのです。

人間である以上、人間関係の悩みは誰にでもあります。まして、一生の伴侶を決めようという婚活です。悩まない人は誰もいません。そういう誰にでも起こること(=共通の人間性)を、苦しみとしないということです。婚活している人は誰もが同じように苦しんでいる、あなただけではないということです。

逆は、「孤独」であり「比較」です。わざわざ人との違いを探し出して比較し、「自分だけが苦しんでいる」と必要以上に苦しみます。まさに悲劇のヒロインを演じてしまうのです。

(3) 自分への優しさ(vs 自己批判)

自分が苦しいときや失敗したとき、能力不足だと感じたときに、それによって生じた苦痛を無視したり、自己批判で厳しく自分を責めることなく、自分自身に対して、温かく理解ある態度を示してあげることです。

セルフコンパッションの高い人は、人は不完全であり、失敗し、また、人生の苦難を経験することは不可避だと理解しています。だからこそ、そうしたことが起きたときに、怒るのではなく、自分自身に優しくしようとします。

人は、常に求めるものを得ることができるとは限りません。この事実を受け入れられない場合、ストレスや自己批判を招いてしまいます。この事実を思いやりと優しさをもって受け入れることで、心の平穏を手に入れることができます。​

セルフコンパッションとは「自分を許す」ことです。自分の幸せを願い、行動すると、幸せホルモンであるオキシトシンの分泌が促進されます。逆に自己批判を行うと、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加します。あなたにとって大切な人にするのと同じように、自分に対して優しい行動をするべきなのです。

参考

The three elements of self-compassion, Dr Kristin Neff
https://self-compassion.org/the-three-elements-of-self-compassion-2/

『世界に通用する子どもの育て方』松村亜里著

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